幸せへの扉

繰り返し目にする数字パターン。これはいったい何を意味するのだろう。それが自分を導くエンジェルナンバーの存在に気づくきっかけだった。
その数字の意味を調べはじめたら、それは全てが今の自分へのメッセージだった。天使は少し前を歩きながら、道を示す。迷いそうになったら諭し、寂しくなったら愛のこもった言葉で励ます。始めからずっとそばにいてくれたのだ。すべての人のそばに。

くらべること

私たちは自然に

ものごとを

比べることをやっている


例えるなら


とても小さな

自分の庭の片すみで

一輪の小さな花を種から育て


その人は

そのことで、ささやかながらも

心を満たしていた


雨が降ったり

吹き飛んでしまいそうな嵐の日も

乗り越えて


見守り続けて


種から芽が出て

葉が少しずつ育ち

待ちに待った一輪の蕾みがついて

小さな花びらが開きかけたとき


その人は

ひそやかに喜びをかみしめて

その花を

いつまでも愛おしく見つめていた


種から花びらが開くまで

大切に見守ってきたことを

その人はとても満足して

そのことを誇りに思っていた


ところがある日


その人は

とても広いたくさんの花が咲き乱れている庭で

華やかな薔薇の花をたくさん育てている人に出会う


その庭と花たちはとても見事で

たくさんの人からの注目の的となっていた


そのことを知ってから


その人は

それまで大切に思ってきた

自分の小さな花と庭や

過ごしてきたその日々が

急につまらない、ちっぽけなものに感じてしまうようになった


こんなことは

時折起きるものだ


自分よりも多く何かを持っている人が現れたり

自分よりも大きなことをこなしている人のことを知ったり

自分よりも何かが上手くできるように見える人が現れたりして

その人が多くのひとに注目されていると


知らず知らず

そのことと比べて


自分のことがつまらなく思えてきたり

自分は足りない

自分は持っていない

自分はまだまだだ、と感じるようになり


心のなかに

にわかに自分を否定する暗雲が現れる


となりに

目の前に

自分にないものを持っている人や

自分よりも何か優れている人が現れてから


それまで大切に思って、誇りに感じてきた

自分のものなのに

それらが小さく消えてしまいそうになるとき


しかし


どんな誰かと出会ったところで


決して、自分の持っているものや

自分の持っているチカラ


自分がひたむきに費やしてきた経験や日々が消えてなくなるものではない


比べることは


ときに

自分の心を曇らせ

自分の足を引っ張り

破壊的になる


比べなくていい


それなら

比べることなんて

意味を持たないだろう


この世界は広くて

いろいろな人がいて

いろいろな場所がある


そのなかで

その誰かや何かと

つねにくらべて

一喜一憂している私たち


でも

人にはいろいろな持ち味がある


神さまが与えてくれて

自分も愛している「個性」だ


その広い広い世界の中に


「ささやかで小さな」

自分が存在している


そして

淡い消えそうな光を灯している


だからといって

それが本当に小さくつまらないものなのだろうか?


モノゴトの小さい、大きいじゃない


モノゴトの多い、少ないじゃない


縁があって

手にしている自分のものを

どれだけ大切にできるか


どれだけ愛をもって育んでいけるか


種から育て

風も嵐の日々も経て


そんな大切な日々とともに

その小さな花を愛おしく思える心こそが

ほかの誰も手にできない宝物なのである


その「ささやかな小さな愛」は

紛れもなく

自分の心を陽だまりのように温めてきたでしょう?


そう心に訊いてみる


豊かさは

量ではない


大きさでもない


そして

誰が知らなくたって

問題じゃない


心に

それに対する陽だまりのような

温もりをもった愛があれば

それは、大きさにも量にも勝るのである


神さまは

自分と自分の持っているものを

そんなふうに大切にする私たちに

もっと豊かさを注いでくれる


「つまらないもの」なんて、何一つない


ちっぽけなものなんて、何一つない


意味がないもの、なんて何一つない


比べようとしたから

それらが

ちっぽけだと誤解しただけのこと


小さくても


ちっぽけでも


足りないと感じていても


みんな、みんな大切な愛すべきもの


誰がわからなくても


この自分の人生のなかで

自分がわかっていれば

それでいいのだ


自分のなかの

そんな「ささやかさ」こそ

大切に育てよう


それは

紛れもなく

その人の人生における宝物なのだから


たとえ

ひとがそれを「ちっぽけ」だと評しても


それを持ってる私たちは大きな価値がある


自分が自分自身で

その大切さに気づき


心のなかで

ずっと大切に温め続けられるのなら


それは「大きさ」や「量」を超える大きな豊かさになるのだ


比べる必要はない


もし、比べることで心が苦しくなるのなら

そんなものはもう必要ないではないか?


比べることで

自分を苦しめたり

否定したりするのであるなら

それは人生に必要のないこと


自分だけの

ささやかなぬくもりと誇りを大切にしよう


それは決して

軽んじるようなものではない


比べることの不要さに気づき

自分の小さなささやかさを大切にしはじめると


「それでいいんだよ」


神さまは微笑んでくださるだろう