もうすぐ梅雨があけて
本格的な夏がやってきそうな気配の夕方の空
お気に入りのみどりの公園まで
車を走らせる
ヒグラシの声が辺りに響いてる
夏が来るとふと思い出すのだ
いくつもの
数えきれない思い出がよみがえってくる
ワクワクしたこと
ウキウキしたこと
その時々で…
8年前
とても得難いひとつの出逢いがあった
今までの自分を大きく変えてくれるような出逢い
自分を一段も二段も引き上げてくれたような
成長できた出逢いともいえる
その人と出逢えたことは
これまでの人生にはないくらい
得難くときめいたものだった
これまでの人生で最大の幸運といってもいいような
無気力な日々
色褪せた世界を覆すような力を持った人
出逢えて
世界がみるみるうちに鮮やかに色づいていった
その人のおかげで
その人の力で
臆病な自分はどこかへ消え去った
おじけづいて行動できずにいたのに
その人はとても簡単に
私の背中を押してくれて
出来なかったことを
出来るようにしてくれたのだ
アイルランドの
好きな歌の歌詞にもあるように
その人は
私を引き揚げ
強くしてくれたのだ
その人がいるから
「山の頂きにも立てて」
その人がいるから
「嵐の海のなかも歩けて」
その人がいるから
「私以上の私になれたのだ」
そのとき
小さく縮こまった自分は
どこかへ行ってしまった
そして
自分にこんなに力があるんだってことを
その人は教えてくれたのである
わたしは
その「恩人」に出逢えたことを忘れない
あの夏をまた時々
思い返すだろう
ワクワクして
ドキドキして
心の底からときめいて
全身全霊で
歓びに包まれていたあの時間を
あの人のように
自分も輝いて
自分らしく表現して
自分の道を追及したかった
自分の道を見つけたかった
いまでもそう
オリンピックが始まろうとしていたあの夏に
出逢ったあの人のことを
また思い出している
自分の世界が広がった夏
時がたつのを忘れるほど
夢中にさせた
甘くときめいた日々
あれから
とてもたくさんの時間が過ぎて
とてもいろいろなことがあって
あのときのときめきは
もう過ぎた思い出に変わってしまったけれど
感謝とともに
その人の行く末を案じ
幸せを
望まずにはいられない