幸せへの扉

繰り返し目にする数字パターン。これはいったい何を意味するのだろう。それが自分を導くエンジェルナンバーの存在に気づくきっかけだった。
その数字の意味を調べはじめたら、それは全てが今の自分へのメッセージだった。天使は少し前を歩きながら、道を示す。迷いそうになったら諭し、寂しくなったら愛のこもった言葉で励ます。始めからずっとそばにいてくれたのだ。すべての人のそばに。

やわらかな陽射しのように

『自分自身を自分の恋人のように扱う』


この言葉に目がとまった


ずっと自分自身に厳しくしていた


正しくあることを

自分自身に強要しつづけていた


やりたいこともさせないで


やるべきことが終わらないうちは

やりたいことはお預け


自分にきびしく

自分をゆるしていなかった


自分のこともどこかで嫌っていた


「やらなければならないこと」は次々に浮かぶ


それらがいつまでも終わらなくて


自分にしごとを与え続けて


自分のことをずっと

狭い檻の中に閉じ込めたままで

外に出さずにいた


まるで鎖につないでいるかのように


あることがきっかけで

感情がバーストした


そんな大人げない

気持ちのコントロールもできない自分を

ひどく責めた


ひどく疲れ切っているのにもかかわらず

いたわるどころか

自分で自分自身の心を痛めつけ

なじりつづけた


なぜ正しくあろうとしなかったのか


なぜこんなにも弱いのか、と


しかし、その出来事は


『自分を閉じ込めないで』


『自分を苛めたらいけないよ』


という教訓でもあったのだ


いい人でいなければいけない


誰かのためになるように

自分を犠牲にして

なにかをすべきだ


こうあるべきだ


こういった考えで

自由を自ら許さないでいたこと


なにかをすべき


こうあるべき


そればかりだと

人は息苦しくなるものだ


正しくありつづけなければならないという気持ちで

自分を律していると

まるで感情を持たないロボットになったかのように

生きているという

生命エネルギーに溢れるような喜びも実感することが難しくなる


一晩中降りしきっていた

冷たい雪がやんで

太陽が顔を出した翌朝


何もかもをいったん脇において

自分自身を外に連れ出す


『今日は閉じこもっていちゃいけないよ

外に出てごらん』


心の奥で声がする


きっとこれは

自分自身の魂の声だ


自分自身を恋人のように扱う


または


小さな子供、小さなかわいい妹にしてあげるように

自分自身が自分の願いを叶えてあげることが必要だったのかもしれない


大好きな街まで

車を走らせ


やわらかい暖かい陽射しが照らすなか

その街の空気を吸い込みながら

心ゆくまで歩いて


やさしい人に会って

やさしい言葉を交わして


街を歩きながら

道ゆく素朴でやさしい人たちとすれ違って


大好きな街の空気が

自分をやさしく満たし

心が柔らかくなってくる


街歩きのあと

これが食べたいと思った美味しいご飯を

もったいぶらずに

自分にご馳走してみる


「美味しい?」って自分の心にきいてみたら

「うん」と素直な声


「美味しい」が心と体をじんわり満たしていく


「良かったね」


自分自身にやさしく微笑んでみた


大嫌いなしかめっ面だった自分自身がいつの間にか消えて

やさしい自分自身が戻ってくる


どこかへ行っていた生きる喜びが戻ってくる


そのとき

かわいい小さな子供のような自分自身を

まるでやさしい母のような愛で包んでいた自分


正しさ一辺倒は人を窮屈に縛ってしまう


ポカポカしたやわらかい陽射しのように

自分が自分自身にやさしくできたなら


世界はやさしく変わるのだ


自分が変わると

自分を取り巻く世界も変わるという


自分の内側が先に変わると

自分の外側も変わってくるのだ


やさしい大好きな街へ

自分に旅をさせて

心は本来のあるべき姿を取り戻せたようだ


しかし、ここで

元気になったのだから

またガムシャラに、というのは

また逆戻りになるだけ


自分にやさしくあっていい


やりたいことをするのも許さずに

自分自身を縛り

それによって感情をバーストさせた自分が

大嫌いで仕方なかったのに


「美味しい?」ときかれて

「うん」と頷いて

心から嬉しそうに

美味しいご飯を頬張っていた自分自身が愛しくてたまらない


心が雪解けのようにほころんでいた


だから


わたしたちは

もっと自分自身にやさしくあっていいのではないだろうか


しあわせに

やわらかに

楽しく生きるために


もっと

やさしくならなければ

いけないのだろう


生まれてから今日まで


ずっとずっと一緒で

自分をことを一番知っていて

なにを経験して

どんなことを思って

ここまで生きてきたか


自分を

ずっと見守ってきたのは

他の誰でもなく

この自分自身なのだ


自分への愛は


きっと

何よりも

大切にすべきなのだろう