幸せへの扉

繰り返し目にする数字パターン。これはいったい何を意味するのだろう。それが自分を導くエンジェルナンバーの存在に気づくきっかけだった。
その数字の意味を調べはじめたら、それは全てが今の自分へのメッセージだった。天使は少し前を歩きながら、道を示す。迷いそうになったら諭し、寂しくなったら愛のこもった言葉で励ます。始めからずっとそばにいてくれたのだ。すべての人のそばに。

ほんとうの許し

人は

なにかを許すことに於いて


これは許せること

これは許せないこと

というふうに

何かしら判別をして

選んで、許すことをしているものだ


だけど


それだと

苦しくなるときがある


ゆるせないことばかりが

立て続けに

自分のまえに現れたときに


ゆるせなくて


あれも

これも

何もかもが

ゆるせなくなって


そういう気持ちに包まれている自分自身でさえ

ゆるせなくなって


心がバラバラになりそうになるのだ


人は


心の居場所を失うと

どうしていいか

わからなくなるのだ


気持ちがかきみだされると

どうしていいか

わからなくなって


立ち尽くすのだ


自分自身や

周りや

すべてに対して

ゆるせない気持ちでいっぱいになっているとき


それは

とてもつらくてかなしくて


正しいことも

良きことも

なにも見えなくなってしまっている


そんなときに

すべきことは


そのすべてを

あるがままにみとめること


なにかをゆるせないでいる

かきみだされた

「未熟な」自分であることも

「ゆるすこと」なのだ


ゆるせなくてもいい


だれかに

何かに

憤りをぶつけたくなっていてもいい


不安でいっぱいになって

前向きになれなくても


強い自分を

演じられなくても


理想どおりになかなか

進まなくても


ゆるそう


そんな「未熟な」自分であることも

いまは、ただゆるそう


この胸のうちを

何も知らない

やさしい白い花たちが


風にゆれて

自分に笑いかけてくれたら


ありがとうって

微笑みかえせばいい


なぜなら

この花たちは


そんな私たちの胸のうちを

何も知らずに咲いているのではなくて


理解してくれてるからだ


花たちは私たちの心を見ている


だから

やさしく

風にゆれながら

ほほえみかけて

そこに咲いているのだ


ささやかな

静かに咲いている

花の愛を受け取ろう


たとえ

自分が

いま、どんなに自身を責めていても


ゆるしたくなくても


花たちは

ゆるしてくれてるから

こうして

笑いかけてくれる


花だけじゃない


空も


雲も


さえずる小鳥たちも


やさしく頬をなでてくれる

風も


ぜんぶ、ぜんぶ

そんな私たちを

分け隔てることなく

ゆるしてくれているのだ


なぜなら

花や風

小鳥や

空や雲には


神さまの愛が宿っていて


わたしたちにその愛が向けられているのだから


そして


そっと教えてくれる


「正しくない…」と嘆きかなしんで

ゆるせないでいるのは


いつまでも

ゆるせないでいるのは


たったひとり

この自分だけなんだと


夕陽のリセット

今日も5月の夕陽月の美しい


今日一日であった出来事がモヤモヤと漂っている


夕陽のオレンジ色の空を眺めるとき


その光に

心の曇りをすべてあずけるような気持ちになる


しばし無心になるひととき


夕陽はそのとき

「今日もお疲れさま」と

わたしたちに向かって言っているのだそう


だから

美しく輝いて

私たちの心をつかむのだ


夕陽は美しく光りながら

わたしたちをねぎらう


今日、一日


うまくいっても

いかなくても

どちらでもいいのだ


いろいろあっても


いろいろ思っても


頑張った自分を認めて


夕陽にすべてをあずけて

リセットしよう


お疲れさま、自分


なにがどうでも


今日一日

そのときのベストを尽くして過ごしたのだ


だから

それでいい


なにも責めず


なにもさばかず


今日一日を乗り切った

自分に


オレンジ色の光を浴びて

優しい言葉をかけてあげよう


わたしたちは

つい、今日一日あったことに対して


自分の至らなかったことだけを

取り出して

責めていたりするもの


もう少し

こうすればよかったのに、と…


「反省」がいつまでも

自分をしつこく

責めているとき


わたしたちは

心の居場所をなくしてしまう


責めすぎることなく

自分をねぎらってもいい


わたしたちは

心配するほど、何も悪くない


何も足りなくない


美しいオレンジ色の光を眺めて

心をリセットしよう


夕陽に

心を任せて

キレイにしてもらったら


安心して


家路に着こう

枯れた木

いつもふらりと訪れる公園に

一本の枯れた木があった


華やいだ春を迎えても

その木には華やぎはなにもない


周りにある木々たちは


つぼみをつけたり

花を咲かせたり

新しい芽が芽吹いているのに


その木だけは

新しい芽が1つも生まれていなかった


うなだれて


周りは華やいでいるのに


時がとまってしまった

一本の木


この木に

いったい、なにが起きたのだろう


新しい命を生み出せないほどに

大きなダメージがあったのか…


生き生きとしている周りの木々たちに比べ

ポツンと

うなだれて死んだようになっている黒い木を見るのが少し辛かった


どうして

この木は枯れてしまったのだろう


もう、新しい芽を宿すことができないのか…


幾日かして


またこの公園を訪れて


あの木のところに歩いていった


上の方を見上げてみて

目を見張った


高い枝の先の方に

少しだけ

新しい芽が出てきているではないか


枯れたようになっているところが大部分だが


しかし

間違いなく


この木のなかで命が動いている


血が通っている


心に

パアーッと光がさしてきた


ありがとう


あなたは

教えてくれたのですね


あきらめない、ということを


あきらめてはいない、ということを


わけもなく、嬉しくなって

涙が頬をつたった


この木に優しく手を触れて

エールをおくってみた


よく見ると

幹の途中の枝の分かれ目に

緑の葉もついている…!


枯れてなんか

いなかった


枯れてなんか

いない


がんばれ


負けるな


つよく、つよく念じた


がんばれ


負けるな


がんばれ