幸せへの扉

繰り返し目にする数字パターン。これはいったい何を意味するのだろう。それが自分を導くエンジェルナンバーの存在に気づくきっかけだった。
その数字の意味を調べはじめたら、それは全てが今の自分へのメッセージだった。天使は少し前を歩きながら、道を示す。迷いそうになったら諭し、寂しくなったら愛のこもった言葉で励ます。始めからずっとそばにいてくれたのだ。すべての人のそばに。

ほんとうの気持ち

唯一無二と呼べる一人の友と出会った


唯一無二の大好きなことを始めて

ほどなくして

その友は自分の前に自然なかたちで現れた


その人と

話せば話すほど

ともに共感するものがうまれ

こんなにも響きあう人が

この世の中にいるものだと

驚いた


その人と

大好きなことをしながら

一緒に過ごす時間は


まるで

ずっと行きたかった場所へ出かけて行って

深く満たされるようなものだった


語り合えば合うほど

喜びが泉のようにコンコンと湧くように

心が満たされていた


しかし

そんな友とも

喜びに満ちた思いだけを

保ち続けることはできなかった


あることをきっかけに

その人に対する信頼や愛情が揺らいでしまうことが起きる


それは

何気なく話した自分に対する彼女の言葉だったり


何気なく取った彼女の行動だったり


彼女には

ずっと、自分が抱いている「揺らぐことのない信頼」を

裏切って欲しくなかったのである


ところが

裏切りと思えることが起きて

自分の心は

彼女への小さな憎しみへと変わり

会うことも、連絡を取り合うことも

いつの間にかなくなっていった


「どうして、あんなことを言ったの?」


「どうして、(自分を裏切って)あんなことをしたの?」


悲しくて、寂しかった


ほかの誰よりも信じていたのに


心のなかの不信感とわだかまりはどんどん大きくなり消えない


ゆるせない


ゆるさない


こんな言葉が

彼女をおもうたびに

浮かんでいた


でも


ほんとうは大好きだったのだ


憎むほどに


ゆるさない


ゆるせない


そんな気持ちが消えないまま


自分はほんとうの気持ちを

ずっとごまかし続けて過ごしてきた


ほんとうは惹かれない仕事をしていたり


ほんとうは付き合いたくない人たちと一緒にいたり


ほんとうは関わりたくないコミュニティに所属し続けたり


ほんとうは話したくないことを話していたり


ほんとうは、いやなのに

平気なふりをして


そうすることで

自分は何かを守ろうとしてきたのかもしれない


ほんとうに響き合う友に背を向けていたり


ほんとうにやりたいことを無理だと諦めていたり


でも

ほんとうの気持ちに

嘘をつき続けることなんて

できるわけがない


ほんとうに向き合うべきことを無視して

ほかの人生を生きようとすることなんて

続くわけがない


『あなたが進むのは、その道じゃないよ』


『あなたが付き合うのは、その人たちじゃないよ』


人生はやさしく

自分を諭してくれた


じつは、心が一番知っているのだ


誰にきかなくても


ほんとうの気持ちは誤魔化せない


ほんとうのことは自分が一番知っている


自分を誤魔化して

間違った道を

まるで行くべき道のように

歩き続けていると


あるとき

その道は行き止まりになる


そのとき、なぜ?と叫ぶだろう


うまくいかない現実を憎んで、憎んで


でも

人生のみちを辿りながら

その「失敗」が教えてくれるのだ


『ほんとうに進みたいのは

この道じゃないでしょう?』


『ほんとうにやりたいことは

これじゃないでしょう?』


『ほんとうに一緒にいたい人は

この人たちではないでしょう?』


そのことに気が付かされたのに


ゆるせない気持ちを

自分でどうすることもできないまま


見返すことも避けていた

数年前にやりとりした

彼女とのメールをふたたび開いた


その言葉の数々に

不用意に涙があふれてくる


なぜ?

憎いのに


そんなことを言っても


やはり、自分は

この人と一緒に過ごすと

まるで帰るべき場所へ

帰ってきたかのように感じていた


彼女と過ごすと、時間が止まっているようだった


それは

至福と呼べるものに近かった


感じるものも

好きなものも

共感することも

憎むものも

目指すものも

志すものも

まるで自分を見ているかのような相手


その人を

きっとソウルメイトと呼ぶのだろう


今まで、ずっと


ほんとうの気持ち

ほんとうの自分

ほんとうの相手に背を向けて

長い間、旅をしていたのだろう


憎い、だけどそれだけ大好き


裏切りだらけの世の中に

悲観していたとき


神様に

「ほんとうの友と出会わせてください」

とお願いした


悲しい思いをさせられた相手たちを超える

誰かに会わせてほしいとお願いした


しかし、既に


神さまは

得難い一人の友という贈り物を

自分に与えてくれていた


紛れもなく

「憎かった」彼女だったのだと


ほんとうに欲しいものは

じつは近くにある


ほんとうに欲しいものは

じつはもう 手にしている


ほんとうに会いたい人は

既に出会っている


そのことに気がつくまでに


人は長い時間

遠く遠く

旅へと出かけ


またここへ戻ってくるのかもしれない


心のなかに

輝く宝石を見つけて