幸せへの扉

繰り返し目にする数字パターン。これはいったい何を意味するのだろう。それが自分を導くエンジェルナンバーの存在に気づくきっかけだった。
その数字の意味を調べはじめたら、それは全てが今の自分へのメッセージだった。天使は少し前を歩きながら、道を示す。迷いそうになったら諭し、寂しくなったら愛のこもった言葉で励ます。始めからずっとそばにいてくれたのだ。すべての人のそばに。

枯れた木

いつもふらりと訪れる公園に

一本の枯れた木があった


華やいだ春を迎えても

その木には華やぎはなにもない


周りにある木々たちは


つぼみをつけたり

花を咲かせたり

新しい芽が芽吹いているのに


その木だけは

新しい芽が1つも生まれていなかった


うなだれて


周りは華やいでいるのに


時がとまってしまった

一本の木


この木に

いったい、なにが起きたのだろう


新しい命を生み出せないほどに

大きなダメージがあったのか…


生き生きとしている周りの木々たちに比べ

ポツンと

うなだれて死んだようになっている黒い木を見るのが少し辛かった


どうして

この木は枯れてしまったのだろう


もう、新しい芽を宿すことができないのか…


幾日かして


またこの公園を訪れて


あの木のところに歩いていった


上の方を見上げてみて

目を見張った


高い枝の先の方に

少しだけ

新しい芽が出てきているではないか


枯れたようになっているところが大部分だが


しかし

間違いなく


この木のなかで命が動いている


血が通っている


心に

パアーッと光がさしてきた


ありがとう


あなたは

教えてくれたのですね


あきらめない、ということを


あきらめてはいない、ということを


わけもなく、嬉しくなって

涙が頬をつたった


この木に優しく手を触れて

エールをおくってみた


よく見ると

幹の途中の枝の分かれ目に

緑の葉もついている…!


枯れてなんか

いなかった


枯れてなんか

いない


がんばれ


負けるな


つよく、つよく念じた


がんばれ


負けるな


がんばれ