記憶
ミモザが香る季節がまた巡ってきた
春を待つあいだ
この花の便りによってもたらされる一足早く届く春の気配に
これまでにあったことに思いをめぐらせてみる
いくつかの出会いと別れ
この季節はそれを思い出させるのだ
チャイコフスキーの悲歌のピアノの調べを聴きながら
心を通りすぎていった波立つような思いがよみがえる
いくつかの場面が思い起こされる
哀しい思いもしたけれど
そんなふうに思えるほどに
素敵な人たちと出会えたのだと
心の支えになってくれた人
優しさをくれた人
前に進む力をくれた人
心を震わすほどの
素敵な得難い時間
今はもう過ぎ去って、手のひらからすり抜けていった
でも思い出せば
確かに心のなかに
いまも暖かく残る
もう会えなくなったその人たちも
いまどこかで同じように春を待っているのだろう
思い出のなかのその人に
また会える日は来るだろうか
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