幸せへの扉

繰り返し目にする数字パターン。これはいったい何を意味するのだろう。それが自分を導くエンジェルナンバーの存在に気づくきっかけだった。
その数字の意味を調べはじめたら、それは全てが今の自分へのメッセージだった。天使は少し前を歩きながら、道を示す。迷いそうになったら諭し、寂しくなったら愛のこもった言葉で励ます。始めからずっとそばにいてくれたのだ。すべての人のそばに。

「世界一の幸せ者」

わたしにはかけがえのないものがたくさんある


その一つが音楽だ


志を同じくする人同士が集まって、一つの作品を作り上げるとき

それは、いつもどんなときも、かけがえのない至福の時間だった


苦しいときも

音楽や仲間や恩師の存在が救ってくれた


わたしにとって、それに打ち込むことは、何ものにも変えられない大切なことであり、大切な時間


長い間、続けてきたのも

それらが切っても切り離せないほどの存在だったから

わたしに大きな力を与えてくれ、成長させてくれた


でも、長い間続けていれば

いろいろなことがあるし、気持ちも変化するものだ


この頃、そんな大切な気持ちをすこし忘れかけていた


情熱がすこしだけ

どこかへ逃げていた


じぶんでも、どうしてそんな気持ちになってしまうのかがわからない


中途半端な気持ちで

集中できていない自分が

すこし、許せないでいた


好きなことなのに…

なぜ…?


ずっと好きで続けていることも

こんなこともあるのか


捨てようと思った古い年賀状を整理していたら

活動をやめてしまった先輩からの葉書が目にとまった


何気なく、その葉書を読み返す


涙があふれた


「わたしは30年前、初めてオーケストラに参加できたとき、世界一の幸せ者と思いました」


そうだ

「世界一の幸せ者」


わたしもそう思った


ずっと夢見てきたことが叶った、その最初のとき

最初のステージ

わたしも同じことを思ったのだ


忘れていた初心


たくさんの仲間と出会い

いろんな人がいて

いろんな経験をして

いろんな音を聴いて

辛い思い通りにならなかったことも

たくさん経験して

でも、支えられていたこともたくさん知って


たくさん、泣いて

たくさん、笑って

たくさん、感動して


そして、いつも「やさしく、暖かい音」がわたしの周りで響いていた


それがいつもわたしの最高の幸せの瞬間だった


ちょっとの間、わすれていた、その大切なきもちを

また思い出すことができた


思い出させてくれた先輩のこの言葉

かけがえのない思いが甦る

そして、何もかもに感謝したい


支えられ、好きなことができる幸せ


わたしは「世界一の幸せ者」だ


こんな得難い幸せな気持ちを

自分を否定してばかりで、忘れていた


大切な気持ちをまた呼び覚まして


大切な仲間と心をひとつに

情熱と光のこもった一つの音と詩を作り上げていこう


たくさんの私たちは十人十色


でも「好き」という心は一つ


素敵な音をつくろう

つぎのステージで