幸せへの扉

繰り返し目にする数字パターン。これはいったい何を意味するのだろう。それが自分を導くエンジェルナンバーの存在に気づくきっかけだった。
その数字の意味を調べはじめたら、それは全てが今の自分へのメッセージだった。天使は少し前を歩きながら、道を示す。迷いそうになったら諭し、寂しくなったら愛のこもった言葉で励ます。始めからずっとそばにいてくれたのだ。すべての人のそばに。

感動する心

大人になるにつれ

歳を重ねるにつれ

何かに感動する心が失われてきていた


子どもの頃のように

目を輝かせて

なんの混じりけもない心で夢中になったこと

無心になること

ワクワクすること


そんな生きる力

沸き起こるようなエネルギーを

少しずつ奪われていったような気がする


どうすればいい


どうすれば心が晴れるのだろう


帰りたい

戻りたい

取り戻したい


自由な心を


『子ども頃に夢中になったことを思い出して』


『もう一度、それをやってみて』


『そのなかにヒントがある』


そんな言葉を目にして


今さらという気持ちを持ちながらも、もう一度やってみた


昔、夢中になって弾いていたピアノ

ピカピカとした白と黒の鍵盤から

心地よい音が紡ぎ出されて

虜になっていた


子どもだったわたしに音楽の美しさと楽しさを教えてくれたピアノ


地元のコンサートホールのピアノを弾かせてもらえる機会があった


弾き始めた途端

そのきらびやかな音色が

わたしの心に忘れていた喜びとときめきを連れてきた


子どもだった自分が戻ってきて

夢中になって弾いた


しばらく弾いていなくて

あの頃みたいにはぜんぜん弾けなくなったが

そんなことは問題ではない


心がキラキラした喜びで一杯になった


大人になってからこんなふうに感じることは少なくなっていた


物事をなんでも理詰めでばかり考えていた


いつも先のことを心配してばかりいた


いつも何かに批判的になっていた


誰かの目を気にしていた


なにもかも窮屈だった


感動するのになんの理由もいらない


なにかを基準にする必要はない


素直に

あるがままに


ただ美しいから


ただ心を打つから


素直に感動する心


わたしはそれを呼び戻したかったに違いない


手入れもせずにずっと弾かずに脇へ追いやっていたピアノがわたしに教えてくれた


わたしは

たすけてくれたピアノに

「ありがとう」と言う